1980年代のテキサス
物語は1980年代のテキサス、女好きでロデオを生きがいにしている電気技師ロン・ウッドルーフ(マシュー・マコノヘイ)が、自宅で倒れて病院に担ぎ込まれます。すると、実はHIV陽性で余命30日だと宣言される。ロンは特効薬AZTが試験中と知ると裏からそれを手に入れ、手に入らなくなるとわずかな情報を頼りにメキシコへ行く。そしてメキシコで治療してくれたもぐりの医師(グリフィン・ダン)から、フランス製のDDCがいいと教えられ、その薬をアメリカへ持ち込み同じ悩みのエイズ患者たちに配布するクラブを開設します。
この映画は2時間に満たない長さですが、個人的な印象としては2時間半の雰囲気でした。それだけ短い描写でいろいろ物語っているということ。「アメリカン・ハッスル」とは真逆ですわ。
東宝のあのシリーズ
この「激動の昭和史 沖縄決戦」は、東宝の“8.15シリーズ”の1本として公開されました。
東宝のあのシリーズは、いまひとつ見る気にならなかったため、僕はこの映画を今回初めて見ました。
やはり「史上最大の作戦」の真似をして「日本のいちばん長い日」という、ベタな情感に流されてしまう映画を作った(と当時僕は思っていた)東宝だから、見なくていいと考えていたのです。
この映画は2時間半ですが、途中に休憩が入ります。おそらく東宝としては、お盆興行の1本立てだから、3時間という長さを考えていたのではないか。しかし岡本喜八は、それを2時間半にまとめてしまった。このテンポが、僕に余計なことを感じさせずに押し切る原動力でした。