東宝のあのシリーズ

この「激動の昭和史 沖縄決戦」は、東宝の“8.15シリーズ”の1本として公開されました。
東宝のあのシリーズは、いまひとつ見る気にならなかったため、僕はこの映画を今回初めて見ました。
やはり「史上最大の作戦」の真似をして「日本のいちばん長い日」という、ベタな情感に流されてしまう映画を作った(と当時僕は思っていた)東宝だから、見なくていいと考えていたのです。
この映画は2時間半ですが、途中に休憩が入ります。おそらく東宝としては、お盆興行の1本立てだから、3時間という長さを考えていたのではないか。しかし岡本喜八は、それを2時間半にまとめてしまった。このテンポが、僕に余計なことを感じさせずに押し切る原動力でした。